◎ English follows Japanese. 英語が日本語に続きます

オスロ国際空港に降り立った瞬間、息を呑んだ。ターミナルビルの内装は、ノルディックスタイルの洗練された簡素美を基調としながら、ふんだんに天然木材を取り入れている。入国審査場のフロアにまで木製の床材が施され、その美しさと温かみは視覚だけでなく、足裏からもじんわりと伝わってくる。周囲からは心地よい森の香りが漂い、それは人の本能的な幸福感やさしく刺激する自然の芳香だった。世界の空港で木材を活用した建築を目にすることは珍しくないが、これほどまでに自然との調和を追求した空港は初めてである。

「列に並ぶのが苦にならない入国審査は初めてです」と思わず入国管理官に伝えると、「そうでしょう。最高の職場ですから」と快活な笑顔でウインクが返ってきた。その余裕のある対応に、私は訪れた国を無条件に好きになるタイプの旅行者ではないものの、到着早々ノルウェーの魅力に引き込まれていった。

国内線でさらに北へ向かう。今回の旅の目的地は、寒風吹きすさぶスカンジナビア半島北部の北極圏だ。目指すはトロムソ(Tromsø)。人口約6万人ながら北極圏最大の都市である。
雪と氷に埋もれたトロムソ空港に降り立つと、痛いほど凍てつく大気が肌を刺す。気温は摂氏1度。空港の周囲には氷結した荒野と雪を抱く山々が広がり、すでに「地の果て」の趣が漂う。しかしここはまだ北緯69度。私の最終目的地であるヨーロッパ最北端の地までは、まだ遠い道のりが残されている。とはいえ、すでに北極圏(北緯66度33分)には入っており、このトロムソでは夏には白夜、冬には太陽が地平線から姿を見せない極夜となる。ちなみに日本最北端の稚内・宗谷岬が北緯45度31分であることを考えると、その緯度の高さは日本人の地理感覚をはるかに超えている。

トロムソ空港は小規模ながら機能的だ。21世紀に建設された日本の地方空港に北欧デザインのエッセンスを加えたような印象を受ける。Wi-Fi接続が1時間無料と表示があったので試してみると、携帯電話のショートメッセージでパスワードを受け取る必要があった。手持ちの携帯が圏外で困っていると、キオスクの女性が「私の携帯を使えばいいですよ」と、こともなげに申し出てくれた。北欧の人々の特徴なのか、一見無口で控えめでありながら、実は温かな親切心を持ち合わせているのだ。

インターネットに接続する必要があったのは、さらに北への航空便を予約するためだ。ノルウェーはIT環境が充実しLCC(格安航空会社)も発達していると事前に把握していたため、あえて予約せずにここまで来た。案の定、スカンジナビア航空系LCCのWiderøe(ヴィデロー航空)のウェブサイトで、1時間半後の便を簡単に予約できた。ノルウェーの物価や25%という高額な消費税を反映した運賃には驚かされたが、日本の国内線正規運賃程度であり、許容範囲内だった。

トロムソを後にしたヴィデロー便は、ヨーロッパ大陸最北端の岬・ノールカップ(Nordkapp)へのゲートウェイ、ホニングスヴォーグ(Honningsvåg)へと向かう。単なる観光地としての最北端を目指すだけでなく、そこに暮らす人々の生活を自分の目で確かめたいという思いがあった。
機材はボンバルディア製39人乗り双発ターボプロップ機。乗客は私の他に、ビジネスマン、家族連れ、中年女性、若者など20人ほど。まるで辺境のローカルバスのような雰囲気だ。途中寄港地のハンメルフェスト(Hammerfest)で大半の乗客が降り、最終目的地まで残ったのは5人だけとなった。

すると、長身の機長がコックピットから姿を現した。マイクを使わず、前方の座席に手をかけながら落ち着いた口調で直接乗客に語りかける。私の顔を見て英語でいいかと確認した後、出発を少し遅らせたい理由を説明し始めた。この便は最終目的地から折り返してトロムソへ向かう最終便となるが、その便はハンメルフェストには寄港しない。今日これからトロムソへ向かう乗客が空港に向かっているため、その到着を待ちたいというのだ。
極寒の地での、まるで探検隊の相互扶助のような心遣いに感動していると、5分ほどで待っていた乗客2人が到着。機長の配慮と丁寧で正確な状況説明に、北欧の誠実さを垣間見た思いがした。

機長との会話は続き、北極圏での飛行について尋ねると「特に変わったことはない」と淡々と答える。「80年の歴史がある航空会社だから、単発プロペラ機の時代から氷点下の猛吹雪の中を飛び、凍結滑走路での離着陸もこなしてきた」という言葉には、北国の漁師のような誇りと自信が感じられた。

低空飛行の機窓からは、果てしなく続く凍てついた岩場と湖、そしてフィヨルドの壮大な景観が広がっている。生き物の気配が全くしないその光景に、「とんでもない場所に来てしまった」という畏敬の念に近い思いが募る。

ホニングスヴォーグ空港は、フィヨルドの入江に面した小さな施設だ。容赦なく吹き付ける冷たい風と氷雪が到着の歓迎を務める。ターミナルと呼ぶにはあまりに質素な建物には、わずか2名の職員が常駐するのみ。空港長兼ディスパッチャー兼受付の1名と、保安検査から手荷物搬送まで一手に引き受けるセキュリティ担当者だ。空港業務の究極のミニマリズムを目の当たりにする。
街の中心部までタクシーを呼ぶ必要があったが、携帯は圏外、公衆電話用のコインもない。2人の職員は折り返し便の対応に追われている。途方に暮れていると、機内で一緒だった20代前半の北欧美人が、迎えに来た同じく美しい姉とともに、寡黙ながらも迷いなく車に同乗することを申し出てくれた。この静かで温かい心遣いは、この国の人々の特徴なのかもしれない。

車中で話を聞くと、2人はホニングスヴォーグ出身の姉妹だった。姉はトロムソでの仕事を辞め、実家近くで新しい職を得たという。妹はトロムソの大学に通う学生だ。「この辺りの景色は最高よ。街の周辺を歩くだけで、他のフィヨルドは見る必要ないかも」と姉が屈託なく笑う。5分ほどで目的のホテルに到着すると、まるで何事もなかったかのように2人は静かに去っていった。寡黙で親切、そして凛とした佇まい―北欧の人々の魅力を凝縮したような出会いだった。

予約なしで訪れたホテルは、他に宿泊客がおらず、マネージャーから「貸切ですね」と言われる始末だ。典型的なオフシーズンの観光地の様相である。フロントでは、この時期のノールカップへのアクセスは定期バスもツアーも不定期で、タクシーをチャーターする以外に方法がないと告げられる。

人口わずか2000人余りのホニングスヴォーグは、切り立つフィヨルドの山々と海の間の斜面にへばりつくように家々が建つのが特徴的だ。スカンジナビア半島最北部の漁業拠点として栄え、夏季には世界中からの大型クルーズ船の寄港地となる。こじんまりとしたメインストリートに比べ港湾施設が立派なのはそのためだ。
坂の多い街並みで目を引くのは、建物の鮮やかな色使いだ。いわゆる「北欧デザイン」の特徴である、落ち着いた明るさの配色が街全体を彩る。フィヨルドとバレンツ海を望むこの地では、秋には正午でさえ日本の早朝か夕暮れほどの日の高さしかなく、冬には太陽が姿を見せない。そんな厳しい環境だからこそ、人々は自然と色彩豊かな日常を求めているのかもしれない。わずかな晴れ間に、住民たちがまるで合図でもあったかのように一斉に颯爽と散歩に繰り出す光景が印象的だった。

港に降りると、「ノルウェー沿岸急行船(フッティールーテン、Hurtigruten)」の主要寄港地であることが分かった。南部の古都ベルゲンから半島最北東部のキルケネスまで、約2500キロの沿岸を12日間かけて往復する定期船だ。100年以上の歴史を持ち、「世界で最も美しい船旅」との評価も高い。この船があれば、スカンジナビア半島北端を東進し、ロシア国境近くまで行けるではないか。臨機応変は旅の醍醐味である。タクシーの手配も困難なノールカップは諦め、急遽、翌日からの船旅を選択した。

ホニングスヴォーグからキルケネスまでは18時間の航海だ。大型船は北極海の南限であるスカンジナビア半島北部のフィヨルドと島々の間を縫うように進む。外海に出ると海は一層の暗さを増し、うねるような高波が船を揺らす。船体にぶつかる波の音を聞きながら、ここが北極海上だと実感する瞬間だ。日中の太陽は地平線のわずか上を這うように移動し、北緯71度を超える海域では、陽光は終日、明け方か夕方のような頼りなげな柔らかさを帯びている。
船上のデッキからは、身を切るような寒風に耐えながら絶景を堪能できる。最果ての地特有の寂寥感を感じつつも、好天時には北極圏の海に映える壮大な朝焼けと夕焼けが一日中続き、夜間には条件が整えばオーロラも姿を見せる。小型のクジラの群れが船の航跡を追い、時折尾びれを跳ねさせる光景は、この海域ならではの特権的な風景だった。

乗客は、オフシーズンを狙って訪れた各国の観光客と、港から港へと移動する地元の人々が混在している。豪華クルーズ船とは異なり華やかなサービスやイベントはないものの、長旅を快適に過ごすためのダイニングやライブラリーが整備され、船内全域で無料Wi-Fiも利用できる。乗客たちは皆、北極圏のゆったりとした時間の流れを思い思いに楽しんでいるようだ。

翌朝、時刻表通りの正確さでキルケネスに到着。スカンジナビア半島の東北端、今回の旅の終着点である。港は整然と整備されているものの、観光地の雰囲気は皆無だ。トラックの往来と倉庫群が目立ち、物流の拠点としての性格が強い。実際、ここはロシア国境まで約6キロ。歴史的にも経済的にも、東のロシアや南のフィンランドとの結びつきが強い土地なのだ。第二次世界大戦中はナチス・ドイツによる占領下で、ドイツ軍の重要な軍事拠点となった歴史も持つ。
私は「ノルウェーの辺境」「地の果て」を期待してここまで来たが、地政学的・経済的には、この地は昔も今も世界に開かれた重要な十字路なのだと気付かされる。港前のスーパーマーケットには、ロシア産の野菜や南欧、オーストラリア産のフルーツが豊富に並び、土産物店には国境観光の写真が飾られ、工事現場には南アジア出身と思われる労働者の姿も見える。

正午近くになっても弱々しい日差しと、凍てついた地面に映る長い影を眺めながら、思いを巡らせる。政治や経済の仕組みに関係なく、たとえ極寒の地であっても、人々の暮らしに国境はないのだと、ここキルケネスの澄み切った青空の下で実感する。

帰路は再びノルウェー沿岸急行船で36時間かけてトロムソへ戻り、そこから国内線でオスロへと飛んだ。この旅を通じて、ノルウェー人の特質が見えてきた。彼らは寡黙で控えめでありながら、自国と自分たちの生き方に揺るぎない自信を持っている。厳しい環境を受け入れて暮らすこと、充実したIT環境、正確な交通インフラの運営など、どこか日本と日本人に通じるものを感じたのは、良き旅の後の贔屓目だろうか。
確かに、高物価と重い税負担、移民政策をめぐる社会問題など、課題は少なくない。しかし、環境との調和を重視し、他の工業先進国とは異なる方向性で豊かな社会を目指す姿勢を、街の佇まいや人々の振る舞いから実感できたことが、今回の旅の最大の収穫となった。

オスロ空港のターミナルビルの床に、「オーディンの箴言」の一節が日本語で刻まれているのを見つけた。「遠く旅する人は知恵がいる/家では何も苦労はないが/ものを知らぬ人が賢い人と同席したら/物笑いの種になる」(エッダ詩・ハーヴァマール)。北欧神話の最高神オーディンの言葉とされる、ヴァイキング時代からの教えだ。


そうか、ノルウェー人とその祖先は旅人なのだ。実際、コロンブスがアメリカ大陸に到達するはるか以前から、彼らは小舟の船団で大西洋を渡っていた。オスロ空港に降り立った瞬間から感じていた親近感は、もしかしたら旅人としての共通のDNAによるものだったのかもしれない。その思いは、この旅の最後の瞬間まで私の心に温かく残り続けた。

Farthest North in Scandinavia – Kirkenes, Norway

The moment I stepped into Oslo Airport, it took my breath away. The terminal’s interior, a study in the sophisticated simplicity of Nordic design, incorporated an abundance of natural wood. Even the floor in the immigration hall was planked in timber, its beauty and warmth radiating not just visually, but up from the soles of my feet. A pleasant scent of the forest drifted through the air – a natural fragrance that seemed to tap into some primal sense of well-being. While airports worldwide utilize wood, I’d never encountered one so dedicated to achieving harmony with nature.

“This is the first time I haven’t minded waiting in an immigration line,” I remarked to the officer.
He winked, flashing a grin. “Of course! It’s the best workplace ever.”
His easygoing manner was infectious. While I’m not the type of traveler who instantly falls in love with every country I visit, I found myself immediately captivated by Norway.

My journey continued northward on a domestic flight. The destination: the Arctic Circle, deep within the wind-swept northern reaches of the Scandinavian peninsula. My first stop was Tromsø, the largest city north of the Arctic Circle, despite its modest population of around 60,000.

Stepping onto the tarmac at the snow-and-ice-bound Tromsø airport, the air was so cold it stung. The thermometer read 1 degree Celsius (34°F). Surrounded by frozen wilderness and snow-capped mountains, there was already a palpable sense of being at the ‘edge of the world.’ Yet, this was only 69 degrees North latitude. The true northernmost point of Europe, my ultimate goal, was still a long way off. Still, I had crossed the Arctic Circle (66°33′ N), entering a realm of the midnight sun in summer and the sunless polar night in winter. To put this in perspective for someone from Japan, our northernmost point, Cape Sōya, sits at 45°31′ N – Tromsø’s latitude felt worlds away, beyond my usual geographical frame of reference.

Tromsø’s airport, though small, was efficient, feeling like a modern regional Japanese airport infused with Nordic design sensibilities. A sign advertised one hour of free Wi-Fi. Attempting to connect, I found it required receiving a password via text message (SMS). With my phone showing no signal, I was stuck until the woman at the kiosk casually offered, “You can just use my phone.” Perhaps it’s characteristic of Nordic people—reserved and quiet at first glance, yet possessing a genuine, unassuming warmth.

I needed the internet connection to book my onward flight further north. I knew Norway had excellent IT infrastructure and well-developed LCCs (Low-Cost Carriers), so I’d intentionally waited. Sure enough, on the website of Widerøe, a regional airline affiliated with SAS, I easily booked a seat on a flight departing in just 90 minutes. The fare, reflecting Norway’s notorious high cost of living and steep 25% VAT, was startling, but still comparable to a standard domestic flight back home – acceptable.

The Widerøe flight carried me away from Tromsø towards Honningsvåg, the gateway to Nordkapp (North Cape), the northernmost point of mainland Europe. My aim wasn’t just to reach a geographical extreme for tourism’s sake, but to see firsthand how people lived in such a place.

The aircraft was a 39-seat Bombardier Dash 8 turboprop. Besides myself, about twenty other passengers were onboard – a mix of business travelers, families, a middle-aged woman, young people. It felt like a local bus route serving remote communities. At a stopover in Hammerfest, most passengers disembarked, leaving only five of us for the final leg.

Suddenly, the tall captain emerged from the cockpit. Resting a hand on a forward seat, he addressed us directly, without the microphone. Checking if English was okay for me, he explained why he wanted to delay departure slightly. This aircraft was scheduled to make the last flight back to Tromsø after reaching Honningsvåg, a return trip that wouldn’t stop in Hammerfest. Two passengers booked on that final return flight were currently en route to the airport, and he wanted to wait for them.
I was touched by this gesture of solidarity in this remote, harsh environment, reminiscent of the mutual support found in exploration teams. Sure enough, the two passengers arrived within five minutes. The captain’s consideration and clear explanation offered a glimpse into Nordic integrity.

We chatted more, and when I asked about flying in the Arctic, he answered matter-of-factly, “Nothing particularly unusual.” He continued, “We’re an airline with 80 years of history. We’ve been flying through sub-zero blizzards and handling landings on frozen runways since the days of single-propeller planes.” His words held the quiet pride and confidence reminiscent of a seasoned northern fisherman.

Flying at a low altitude, the windows revealed an endless expanse of frozen rock, icy lakes, and dramatic fjords stretching below. It was a landscape utterly devoid of any sign of life. A growing sense of awe mixed with unease washed over me – “I’ve come somewhere truly wild,” I thought.

Honningsvåg Airport was a tiny facility facing a fjord inlet. A relentless, biting wind and swirling snow served as the welcoming committee. The modest building, barely a terminal, was manned by just two staff: one person acting as airport manager, dispatcher, and check-in agent rolled into one, and a security officer handling everything from screening to baggage claim. It was the ultimate expression of airport minimalism.
I needed a taxi to the town center, but my phone had no signal, and I had no coins for a payphone. The two staff members were busy managing the turnaround flight. Just as I began to feel stranded, one of the young Nordic beauties from my flight, meeting her equally striking sister who had come to pick her up, quietly but readily offered me a ride. This silent, warm consideration, I was learning, might just be the way of the people here.

In the car, I learned they were sisters originally from Honningsvåg. The older sister had quit her job in Tromsø and found new work near home. The younger was a university student in Tromsø. “The scenery around here is incredible,” the older sister laughed. “Just walk around town, and you might not need to see any other fjords!” After a short five-minute drive, they dropped me at my hotel and drove away quietly, as if their act of kindness were nothing at all. Reserved, kind, with a quiet dignity—they seemed to embody the Nordic charm I was starting to discover.

Arriving at the hotel without a reservation, I found I was the only guest. “You have the place to yourself,” the manager declared. It had the typical feel of an off-season tourist town. At the front desk, I learned that reaching Nordkapp this time of year was difficult; regular buses and tours were suspended, leaving chartering an expensive taxi as the only option.

Honningsvåg, home to just over 2,000 people, features houses clinging to the slopes between the steep fjord mountains and the sea. It thrived as a fishing hub for the northernmost part of the peninsula and becomes a port of call for large cruise ships from around the world in the summer – which explains the impressive harbor facilities relative to the town’s small main street.
What immediately catches the eye on the hilly streets are the vibrant colors of the buildings. The entire town is painted in the characteristic Nordic design palette—bright yet muted hues. In this land overlooking fjords and the Barents Sea, even at noon in autumn, the sun hangs low, casting light like early morning or late evening back home. In winter, the sun doesn’t rise at all. Perhaps it’s precisely because of this harsh, often grey environment that people instinctively seek color in their daily lives. It was a striking sight to see residents briskly heading out for walks, almost in unison, the moment the sun broke through the clouds.

Down at the harbor, I realized this was a major port for the Norwegian Coastal Express (Hurtigruten). This legendary service operates ships that travel the roughly 1,550-mile (2,500 km) coastline between the historic southern city of Bergen and Kirkenes in the far northeast, a 12-day round trip. With over a century of history, it’s often called “the world’s most beautiful sea voyage.” This ship, I realized, could take me east along the northernmost coast of Scandinavia, all the way near the Russian border! Flexibility is the joy of travel. Giving up on the logistically challenging Nordkapp, I impulsively opted for a sea journey starting the next day.

The voyage from Honningsvåg to Kirkenes takes 18 hours. The large vessel weaves through fjords and islands along the northern edge of the Scandinavian peninsula, the southern limit of the Arctic Ocean. Once in open water, the sea grew darker, rougher, and large waves tossed the ship. Hearing the rhythmic crash of waves against the hull, I knew: this was truly the Arctic Ocean. The daytime sun crawled just above the horizon; north of 71 degrees latitude, the sunlight held the soft, tentative quality of dawn or dusk all day long.

From the ship’s deck, braving the biting wind, the views were breathtaking. There was a sense of desolation unique to these remote lands, yet on clear days, the Arctic sea reflected spectacular sunrises and sunsets that seemed to last for hours. At night, if conditions were right, the aurora borealis (Northern Lights) would dance across the sky. Watching pods of small whales trailing the ship’s wake, occasionally flipping their tails, felt like witnessing a privileged sight unique to these waters.

The passengers were a mix of international tourists taking advantage of the off-season fares and locals traveling between ports. Unlike a luxury cruise line, there was no flashy entertainment, but comfortable lounges, a library, and free Wi-Fi throughout the ship ensured a pleasant journey. Everyone seemed to be savoring the slow, unhurried passage of time unique to the Arctic.

The next morning, arriving with timetable precision, we docked in Kirkenes. This was the northeastern tip of the Scandinavian peninsula, the end point of my journey. The port was orderly but lacked any touristy feel. Dominated by truck traffic and warehouses, its character was clearly that of a logistics hub. Indeed, Kirkenes is only about four miles (6 km) from the Russian border, a place historically and economically tied to Russia to the east and Finland to the south. It also bears the scars of history, having been an important German military base during the Nazi occupation in World War II.

I had come expecting the ‘Norwegian frontier,’ the ‘end of the earth,’ but I realized this place, geographically remote as it felt, has always been a vital, world-connected crossroads. The supermarket near the port stocked Russian vegetables alongside fruit from Southern Europe and Australia. A souvenir shop displayed photos of border tourism. Construction sites employed workers who appeared to be of South Asian origin.

Gazing at the weak sunlight even near noon, casting long shadows on the frozen ground, I reflected. Politics and economics aside, it struck me under the clear Kirkenes sky that in the daily lives of the people who make their homes here, even in this frigid land, there are essentially no borders.

The return journey involved another 36 hours on the Hurtigruten back to Tromsø, followed by a domestic flight to Oslo. This trip offered insights into the Norwegian character: reserved and understated, yet possessing an unshakable confidence in their country and way of life. Their acceptance of the harsh environment, the excellent IT infrastructure, the precise operation of transportation networks – perhaps it was just rosy retrospection after a good trip, but I felt a certain resonance with Japan and its people.
Certainly, Norway faces challenges: the high cost of living, a heavy tax burden, societal issues surrounding immigration. But the commitment to harmony with the environment, the pursuit of a prosperous society on a different path from many other industrialized nations – seeing this reflected in the towns and the people’s demeanor was the greatest reward of this journey.

Back in Oslo Airport, waiting for my flight home, I noticed a passage inscribed in Japanese on the terminal floor. It was from the Hávamál (Sayings of the High One), attributed to Odin, the highest god in Norse mythology – wisdom from the Viking age:

“A man requires wisdom when far he fares,
At home all is easy;
But he who knows nothing and sits among the wise,
Becomes a mark of shame.”
(Hávamál The Poetic Edda)

Ah, so the Norwegians and their ancestors are travelers. Indeed, long before Columbus reached the Americas, they were crossing the Atlantic in fleets of small ships. Perhaps the sense of kinship I’d felt since first arriving stemmed from a shared traveler’s DNA. It was a thought, a warmth, that stayed with me until the very last moment of my journey.