◎ English follows Japanese. 英語が日本語に続きます。
–
日本から直行便のないバングラデシュ、ダッカに入るにはキャセイパシフィック航空の香港経由、タイ国際航空のバンコク経由、マレーシア航空のクアラルンプール経由、シンガポール航空のシンガポール経由などが一般的だ。日本のJICA(国際協力機構)などの開発援助関係者やビジネスマンらは圧倒的にこのようなレガシーキャリアを乗り継ぐ割合が高いと聞く。しかし私は開発援助の関係者でもビジネスマンでもなく、どこに行くにも目的地の国のエアラインを利用することを心がける一介のコストコンシャスな旅人である。今回のダッカ行きにも、バンコクから往路にユナイテッド・エアウェイズ(米ユナイテッド航空とは無関係、以下「ユナイテッド」)、復路にビーマン・バングラデシュ航空と、共に迷わずバングラデシュ国籍の会社を選んだ。
バンコク・スワンナプーム国際空港の片隅のバス搭乗ゲートから向かった先のランプに佇むのは、航空博物館の野外展示のような古ぼけたユナイテッドのデ・ハビランド・カナダDHC-8-100型機だ。色あせ剥げかけた塗装により、一瞬、主翼が凹んでいるように錯覚し、本能的な不安を覚える。機体収納式のステップから搭乗すると、機内もまた博物館展示の旧型機のモックアップのようなレトロな趣である。
バングラデシュで「新興」とされるこの航空会社をピックアップしたのは、ビーマン・バングラデシュ航空に比べて定時運航率が高い、と耳にしたからだ。バンコクからは期待どおりの定時出発で、幸先の良さに喜ぶ。上空では機内サービスとしてペットボトルの水と食事は配られるものの、アテンダントの姿勢は決して積極的ではなく、機内エンターテイメントは一切ない。「この会社、質素ながらも堅実なサービスがモットーなのだ」とポジティブに自分に言い聞かせるが、出発時のシートベルトサイン点灯後も旅客はキャビンを歩き回り、離陸時にも座席の足元や通路に手荷物ははみ出していたあたりは、グローバル・アライアンスを基準にすると、ただ驚くしかない。
フライトタイムは約3時間。バングラデシュ領空に差し掛かる頃には午後6時を回り、周囲の空は次第に夜になってきている。しかし機内では照明は点灯されず、薄暗いままだ。読書灯もなく手元さえはっきりと見えない状態でも文句をいう乗客は一人もおらず、アテンダントはひと通りのサービスを終えてギャレーの奥に引っ込んでしまっている。仕方がないので窓に目をやると眼下の地上にはほとんど光もなく、遠くの雷雲には稲妻が走っている。揺れに合わせてエンジンとプロペラの音が不安定に聞こえるのは気のせいだと思うことにした。暗さに慣れた目で改めて辺りを見回してみると、約70席の機内は8割方埋まっており、南アジア人以外の風貌の旅客はどうやら私だけだ。「えらい所に来てしまった」という気持ちがこみ上げてくるが、これは旅の高揚感の一部だということにしておこう。
ダッカのハズラット・シャージャラル国際空港に到着し、入国イミグレーションに向かうが、「FOREIGN PASSPORT(外国人旅券)」のカウンターに進んだのは、私一人だ。この時間帯の到着便はユナイテッドだけなので、機内でバングラデシュ人以外は実際に私1人だったようだ。
空港ターミナルは思いのほか大きい。少々古くも一国の首都空港にふさわしい堂々たる施設である。国際空港としての旅客設備はひと通り整うが、全体的にピリピリした雰囲気はあまりない。どこの国でも試してみるように、空港の警官やセキュリティスタッフの近くで敢えて写真を撮影してみる。保安ルールやメディア規制が厳しい国や地域ではこの時点でNGが来るが、ここではまったくお咎めなし。撮影する行為よりも、むしろカメラそのものが注視されていることが面白い。
税関内で手荷物を待っていると同じ便に乗っていたバングラデシュ人の若者が笑顔で話しかけてくる。バンコクから来るのになぜタイ航空でなくユナイテッドに乗るのか?と私の旅程に興味津々である。彼らによると、外国人はあまりバングラデシュの会社に乗らないとのこと。一方で多くのバングラデシュ人には外国のエアラインは運賃が高くて乗りづらい。自国の会社はいずれも定時性でもあてにならないが、ユナイテッドは運賃が安いことで「ましな選択肢」なのだそうだ。同社はバングラデシュではLCCのような存在で、少々の機体の古さやサービスの質などは問題ではないのだろう。ちなみにユナイテッドの機内誌によると、同社は現在、エアバスA310型機でダッカ〜ロンドン線への就航も計画中だ。ホントか?とツッコミたくなるが、まあ、今後の成長が気になる会社ではある。
若者に国内路線について尋ねると、「普通の人は飛行機には乗らない」ときっぱり。国内移動では鉄道やバスが主流で、運賃が10〜100倍も違う航空便は交通機関として例外的な存在だそうだ。「暇な金持ちや政治家のためのもの」とも言い切る。外国人旅行者が気軽に利用するには、まだいろいろと敷居が高そうな雰囲気だ。
空港から市内のホテルまでタクシーを走らせると、さっそくダッカ名物の大渋滞に巻き込まれる。ほんの数キロの距離に1時間弱かかるのだから、改善の余地は大きい。途中、ドライバーが「ダッカ初の『フライオーバー』(立体交差)がこれ。これからどんどん建設されて、もっと渋滞が緩和される」と自慢げに話す。それほど渋滞は深刻なのだろう。一朝一夕に解決する問題ではないが、一般市民の国の発展への期待感は大きいと感じた。
宿はダッカ市内の中心部で比較的高級とされるエリアに取った。大通りには10階程度のビルが立ち並ぶが、一本裏手に入ると低層の建物が続き、道路が未舗装で中央が陥没していたりする。ここを拠点に数日をかけてダッカ市内と郊外を巡ることにする。
ダッカは大都市で見どころは少なからずある。見通しの利かない路地に商店や飲食店や市場などが密集する「オールドダッカ」、ブリガンガ川に面した物流の要所である船着き場「ショドル・ガット」、国会議事堂「ジャティヨ・ションショッド」、独立までの歴史の舞台「アーシャン・モンジール(ピンク・パレス)」、18世紀のムガル朝時代に建設されたモスク「タラ・モスジット(スター・モスジッド)」など。さらには郊外にある12世紀に興隆した運河の古都「ショナルガオ」にも足を伸ばす。
いずれも街歩きとしては魅力的な場所ばかりで、南アジアの歴史的にも価値の高いところも多い。しかし、どこも観光リソースとしての整備はほとんどされていないという印象だ。経済白書によると国自体がこれまで観光産業にほとんど注力してこなかったという。経済発展が優先で、旅行産業まで手が回らないということだろうか。確かに、一般旅行者の目的地としては「キメの見どころ」がなく、衛生面を含めて受け入れ体制はとても貧弱だ。
一方、どこに行っても驚くほど人が多い。北海道の1.7倍の国土に1億4千万人が暮らすというこの国の、さらに人口が一極集中する首都中心部であるから無理はない。圧倒的な数の人々の生活を眺めていると、濃厚な息遣いや生活感そのものが観光リソースのようにも思えてくるから不思議だ。それは世界の多くの完璧に整備された観光地や都市に慣れてしまった反動ではなく、この喧騒と混乱に満ちた雑踏から「人の力」をどこよりもリアルに感じるからなのかもしれない。
市内の移動は「CNG(シーエヌジー)」と呼ばれる亀のような三輪自動車か、リキシャ(人力車)を使う。バスはローカルでなければ乗りこなせない雰囲気で、タクシーは予めチャーターする以外にはほぼ捕まらない。そして街は常に大渋滞である。オールドダッカでもメインの道路は片側2車線ほどの幅があるが、常時、だいたいリキシャ4割、CNG3割、乗用車0.5割、人2.5割の比率で埋め尽くされる。車両はそれぞれ車幅・長さ、移動スピード・距離、陥没・水たまりでの走行性能がまったく違うにもかかわらず、各ドライバーには「車線」「車種」の概念はなく、あらゆる車両が一斉にそして懸命に前に進もうとし、お互いがお互いの進路を阻む形で終わりのない渋滞を招いている。ここではまさにカオスが日常なのである。
ダッカで知り合いになった比較的裕福な青年に、国が貧困から脱却し経済発展を遂げるためにまず解決されるべき問題は何かと尋ねると、「交通渋滞と停電、そして賄賂と縁故優遇がはびこる官僚システム」と真顔で答えた。
バングラデシュの熱く複雑な現実を垣間見たところで、後ろ髪を引かれながら帰路につくことに。ダッカからは前述のようにビーマン・バングラデシュ航空でバンコクに戻る予定だ。日本路線から撤退しているビーマン・バングラデシュ航空の機体は、成田で最後にその姿を見てから約10年ぶりの再会である。空港の出発ロビーの半分弱が同社とそのハンドリング会社専用になっているあたりは、さすがナショナルフラッグキャリアの貫禄である。搭乗手続きカウンター横には、ボーイング777型機導入のサイネージが置かれ明るい宣伝文句が踊っているが、搭乗手続きカウンターの中の男性職員の態度は、いわゆる役人風だ。挨拶もないどころか、手続き完了後も無言でパスポートと搭乗券を投げ返すのみ。昨今のアジアのレガシーキャリアのサービスレベルからすると、それは比較の対象にもならない。
しかし、スタッフの「上から目線」も会社ぐるみとなると、やられる方は意外と不快ではない。期待が全くなくなるからである。自分の目的は飛行機に乗ってA地点からB地点に向かうことだ。こんな奴らの一挙手一投足にムカついている場合ではない、などと思ってしまうから不思議なものである。
ボーイング737-800型機の機内には民族衣装風のユニフォームを着たアテンダントが乗務する。根拠不明な高圧的な雰囲気だが、自信に満ちた上から目線の笑顔が、乗客に一定の安心感を与えるのも事実だ。機内食を含め決して充実していないサービスだが、これがアテンダントの仕事であり、ビーマン・バングラデシュ航空の伝統だ、とでも言わんばかりの接客アプローチは、遥か昔の世界の僻地フライトで見た光景のような懐かしさを感じる。そんなタイムスリップ感の極みが、食事後に乗客の頭上に散布される消毒剤である。成分不明の白い粉を浴びながら、「確か90年代の最初くらいまで、成田発着のアジア路線にもあったなあ」と感じ入る。保健衛生は重要だが、その散布方法はまるで一般客を荷物あるいは動物扱いである。しかし前向きな私はそれを、乗客に決して媚びない古参エアラインの威厳のある態度、と好意的に理解することにする。
そしてフライトはバンコクに定刻に到着。レア体験もこれで終わりかと安堵しながら降機すると、コックピットから出てきた運航乗務員が「定時運航はめったにない。あなたはラッキー」と真顔で言う。改めて飛行機に乗ることはあくまで「移動」であり、その目的が達成できればほかに何も望まない、と思ってしまう。移ろいゆく世界の航空市場の中で、ビーマン・バングラデシュ航空は変わることなく、たとえ新興の追い上げがあってもマイペースである。空の旅の基本に立ち返り、それを体験するにはおすすめの会社だ。
ひとたびバングラデシュを離れてみると、強烈に印象に残っているのはあのうねるような人の波の喧騒と熱気と、彼らの笑顔だ。バングラデシュで出会った人の多くは、旅行者を警戒し疑うことなど一切ない目をしていた。自然な笑顔の中に輝くその瞳と、見返りなしに「写真を撮ってくれ」と近づいてくる距離感に、人と人とのリアルのコミュニケーションを感じた。
バングラデシュの航空サービスをはじめとする旅行産業の発展、そして一般旅行者の人気のデスティネーションになるための観光リソース開発の道のりはかなり長そうだ。しかし、「人に会う、人を知る」という旅の原点を見つめ直すなら、先入観と偏見を捨ててこの国を訪れてみると良いだろう。そこには、自身のこれからの「旅」がどうあるべきかを考えるきっかけがあるかもしれない。
–
Jostled by People, Rethinking My Journey – Dhaka, Bangladesh
Reaching Dhaka, Bangladesh, isn’t straightforward from Japan; there are no direct flights. The usual routes involve layovers via major hubs like Hong Kong (Cathay Pacific), Bangkok (Thai Airways), Kuala Lumpur (Malaysia Airlines), or Singapore (Singapore Airlines). I hear that development aid workers from organizations like JICA and business travelers overwhelmingly favor these legacy carriers. But I’m neither an aid worker nor a businessman. I’m just a cost-conscious traveler who makes a point of flying the national airline of my destination whenever possible. So, for this trip to Dhaka, I unhesitatingly chose Bangladeshi carriers: United Airways (no relation to the U.S. giant) for the flight from Bangkok, and Biman Bangladesh Airlines for the return.
Tucked away at a remote bus gate at Bangkok’s Suvarnabhumi Airport stood my ride: a United Airways De Havilland Canada DHC-8-100 that looked like it belonged in an open-air aviation museum exhibit. The faded, peeling paint created an unsettling optical illusion, making the wings seem momentarily dented, triggering a flicker of primal fear. Boarding via the aircraft’s built-in steps, I found the cabin equally retro, reminiscent of a mock-up display of a vintage plane.
I’d picked this supposedly “up-and-coming” Bangladeshi airline because I’d heard its on-time performance was better than Biman’s. True to form, we departed Bangkok right on schedule, a promising start that lifted my spirits. In the air, we were served bottled water and a meal, but the flight attendants were hardly proactive, and in-flight entertainment was non-existent. “Okay,” I told myself, trying to stay positive, “their motto must be ‘simple but solid service’.” Yet, watching passengers stroll down the aisle even after the seatbelt sign illuminated for takeoff, and seeing carry-on bags spilling into the footwells and aisles during liftoff, was, by global airline alliance standards, simply astonishing.
The flight was about three hours. By the time we entered Bangladeshi airspace around 6 PM, dusk was settling. Inside the cabin, however, the lights remained off, leaving us in near darkness. With no reading lights, even seeing my own hands clearly was a challenge. Yet, not a single passenger complained. The attendants, having completed their minimal service, had retreated to the galley. With nothing else to do, I peered out the window. Below, the ground was almost entirely dark, save for distant flashes of lightning illuminating thunderclouds. I tried to convince myself that the unsteady drone of the engines and propellers, seemingly fluctuating with the turbulence, was just my imagination. As my eyes adjusted to the gloom, I surveyed the cabin again. Roughly 80% of the 70-odd seats were filled, and it appeared I was the only non-South Asian face on board. A distinct feeling of “What have I gotten myself into?” washed over me, but I chalked it up to the thrill of the journey.
Upon arriving at Dhaka’s Hazrat Shahjalal International Airport and heading to immigration, I found myself completely alone at the “FOREIGN PASSPORT” counter. It seemed United was the only international arrival at that hour, confirming I really had been the sole foreigner on the flight.
The airport terminal was surprisingly large – a bit dated, perhaps, but suitably grand for a nation’s capital. It had all the basic facilities of an international airport, yet lacked the high-strung, tense atmosphere common elsewhere. As I often do, I tested the waters by deliberately taking photos near police officers and security staff. In countries with strict security or media regulations, this would usually earn an immediate rebuke, but here? Not a peep. It was amusing to note that my camera itself seemed to draw more attention than the act of photographing.
While waiting for my luggage in the customs hall, a young Bangladeshi man from my flight struck up a conversation with a friendly smile. He was genuinely curious why I, coming from Bangkok, would choose United over Thai Airways. According to him and his friends, foreigners rarely fly Bangladesh’s own carriers. Conversely, for many Bangladeshis, foreign airlines are prohibitively expensive. While neither local airline is known for reliability, United’s low fares apparently make it the “lesser of two evils.” It functions somewhat like a low-cost carrier within Bangladesh, meaning the slightly aged aircraft and basic service aren’t major deterrents. Incidentally, United’s in-flight magazine boldly claimed plans to launch a Dhaka-London route using Airbus A310s. “Really?” I thought, skeptical, but admittedly, it’s a company whose future progress sparks some curiosity.
When I asked the young men about domestic flights, their answer was blunt: “Ordinary people don’t fly.” Trains and buses dominate domestic travel, with airfares costing 10 to 100 times more, making planes an exceptional mode of transport. “They’re for the idle rich and politicians,” one stated flatly. It sounded like気軽に using domestic flights remained a high hurdle for the average foreign tourist.
The taxi ride from the airport to my hotel downtown immediately plunged me into Dhaka’s infamous traffic jams. Covering just a few kilometers took nearly an hour – clearly, there’s massive room for improvement. My driver proudly pointed out a structure along the way. “That’s Dhaka’s first ‘flyover’ (overpass),” he boasted. “They’re building more, it will ease the congestion.” The traffic must truly be severe. While it’s not a problem solvable overnight, the palpable public anticipation for national development was striking.
I’d booked a hotel in a relatively upscale area of central Dhaka. Along the main avenue stood buildings around ten stories high, but just one block behind, low-rise structures dominated, lining unpaved roads sometimes marred by deep depressions. This would be my base for exploring Dhaka and its outskirts over the next few days.
Dhaka, a sprawling metropolis, certainly has its points of interest. There’s Old Dhaka, a dense warren of narrow, winding alleys packed with shops, eateries, and markets; Sadar Ghat, the bustling river port on the Buriganga River, a vital logistics hub; the Jatiya Sangsad Bhaban (National Parliament House); Ahsan Manzil (the Pink Palace), steeped in the history leading up to independence; and Tara Masjid (Star Mosque), an 18th-century Mughal-era gem. I even ventured further afield to Sonargaon, an ancient canal city that flourished in the 12th century.
Each location was captivating for urban exploration, many holding significant historical value within South Asia. However, the prevailing impression was one of near-total neglect in terms of tourism infrastructure development. Economic reports confirm the country has historically placed little emphasis on the tourism industry. Perhaps economic development simply takes precedence, leaving no resources for tourism? Indeed, for the average tourist, Dhaka lacks a definitive “must-see” attraction, and the overall infrastructure, including sanitation, is woefully inadequate.
On the other hand, the sheer number of people everywhere is staggering. It’s hardly surprising, given that this nation, roughly 1.7 times the size of Hokkaido, Japan, is home to 140 million people, with the capital experiencing extreme population concentration. Gazing at the lives of these overwhelming masses, the intense, palpable pulse of daily existence itself begins to feel like a tourist attraction – strangely compelling. This isn’t just a reaction against the overly sanitized, perfectly curated tourist destinations and cities common elsewhere in the world. It’s because, amidst this chaotic, clamorous throng, you feel the raw “power of humanity” more viscerally than perhaps anywhere else.
Getting around the city means relying on “CNGs” – auto-rickshaws resembling turtles – or cycle rickshaws. Buses seem navigable only by locals, and taxis are virtually impossible to hail unless pre-booked. And the city is perpetually gridlocked. Even on the main roads in Old Dhaka, which might offer two lanes in each direction, the space is constantly choked, roughly by 40% rickshaws, 30% CNGs, 5% passenger cars, and 25% pedestrians. Despite vast differences in vehicle width, length, speed, range, and ability to navigate potholes and puddles, drivers seem utterly oblivious to the concepts of “lanes” or “vehicle types.” Every vehicle surges forward desperately, simultaneously, inevitably blocking each other in a never-ending snarl. Here, chaos is simply the norm.
I asked a relatively affluent young man I befriended in Dhaka what he thought were the most critical problems the country needed to solve to escape poverty and achieve economic development. His earnest reply: “Traffic congestion, power outages, and a bureaucratic system rife with bribery and nepotism.”
Having glimpsed Bangladesh’s intense and complex reality, it was time to head home, though not without a sense of reluctance. As planned, I would fly back to Bangkok on Biman Bangladesh Airlines. Having withdrawn from the Japan route, this would be my first encounter with a Biman aircraft in about a decade, since last seeing one at Narita. The fact that nearly half the airport departure lobby was dedicated solely to Biman and its handling agents spoke volumes of its national flag carrier status. Next to the check-in counters, digital signage trumpeted the introduction of Boeing 777s with bright, optimistic slogans. Inside the counter, however, the male staff member exuded a classic bureaucratic air. No greeting, and upon completing the check-in, he simply tossed my passport and boarding pass back in silence. Compared to the service levels of other Asian legacy carriers these days, it wasn’t even in the same league.
Yet, when this top-down attitude seems pervasive throughout the company, it’s surprisingly not that offensive to be on the receiving end. Why? Because all expectations vanish. My goal is simply to get from Point A to Point B on an airplane. It’s strange how easily one thinks, “I don’t have time to get worked up over their every little action.”
Aboard the Boeing 737-800, flight attendants wore uniforms with a traditional flair. They projected an air of baseless haughtiness, yet their confident, condescending smiles somehow imparted a certain sense of reassurance to the passengers. The service, including the meal, was far from extensive, but their approach seemed to declare, “This is our job, this is Biman tradition.” It evoked a nostalgia for flights to remote corners of the world decades ago. The pinnacle of this time-warp experience was the disinfectant sprayed over passengers’ heads after the meal. As the mysterious white powder rained down, I mused, “I remember this on Asian routes out of Narita, probably until the early 90s.” While hygiene is crucial, the method felt like treating passengers as cargo, or perhaps livestock. But, ever the optimist, I chose to interpret it favorably: the dignified stance of a veteran airline that refuses to fawn over its customers.
And then, we landed in Bangkok, right on schedule. Breathing a sigh of relief that the “rare experience” was over, I disembarked. Just then, one of the pilots emerged from the cockpit and deadpanned, “On-time arrivals are rare. You’re lucky.” It was another reminder that flying is fundamentally about transportation; if that goal is achieved, perhaps nothing else truly matters. In the ever-shifting global aviation market, Biman Bangladesh Airlines remains steadfastly itself, marching to its own beat even as newer competitors emerge. For anyone wanting to reconnect with the bare essentials of air travel, Biman is, in its own peculiar way, a recommended experience.
Once away from Bangladesh, the most vivid, enduring impressions are of that roiling human tide – the clamor, the heat – and the smiles. Many people I met in Bangladesh looked at me with eyes utterly devoid of the suspicion or caution often directed at travelers. In their natural smiles, their shining eyes, and the easy way they’d approach asking “Take my picture!” with no expectation of anything in return, I felt a genuine, unmediated human connection.
Bangladesh has a long road ahead in developing its aviation services and broader tourism industry, including cultivating resources to become a popular destination for mainstream travelers. But if the goal is to rediscover the core of travel – meeting people, understanding people – then shedding preconceptions and biases and visiting this country is worthwhile. You might just find something there that makes you reconsider what your own journeys should be about.
–